新谷暁生「アリュート・ヘブン」

カヤックを漕ぐことは単調な労働だ.それは山を登るようなものだ.僕は漕ぎながら唄を歌う.風が吹いても、時化ても漕ぎ続ける.だが手漕ぎの限界などたかが知れている.波頭が白く尾を引き始める時、僕は怯える.生きる術は闘争心にあるのではない.恐怖心にあるのだ.冷たい水で死ぬか、生きるために漕ぐか、海を漕ぐということはそういうことだ.陸に上がり、日溜りの草原に横たわることは、幸せなことだ.(本文より一部抜粋)

海からの川からの視線を手に入れたい。自分が動いた分だけ進むことのできる道具はいい。カヤック然り自転車然り。経験したことからだけ言葉を発する。自分にできることからだけ。
ニセコの雪崩情報。自由を手に入れる為のルールを彼は創り続けている。
http://www.umiyamakawa.com/aleutheaven/
「知床のカヤック」