寄稿 

「デモクラシー」

鹿賀丈史市村正親26年ぶりの競演が話題の舞台「デモクラシー」
69年に西ドイツ初の左派革新政党出身首相となり東西融和政策を進め、ノーベル平和賞を受賞したヴィリー・ラント。彼の秘書官となった男ギュンター・ギョームが、実は東ドイツのスパイであったという戦後最大のスバイスキャンダルを実話に基づいて戯曲化された舞台。首相を鹿賀、秘書を市村という配役。
シンプルなセット、セリフは全編政治的な駆け引きの応酬というかなり緊張を強いられる内容だが、客に過剰に媚びる芝居が多い中、ストレートプレイの王道でありエンターテイメントとしても納得できる充実感も味わえる。
なにより鹿賀が実に魅力的で、複雑ながらカリスマたる首相を好演。ジャン・バルジャン、ジキル&ハイドに次ぐ舞台の当たり役となっている。

鹿賀丈史といえば「野獣死すべし」。「ぬぁに見てんだぁこの野郎〜!」風間杜夫とからむ名シーン。屈折した目が恐い。


宮沢和史」live

2/25、渋谷公会堂にて宮沢和史のライブ。
1月下旬のフランスに始まりブルガリアポーランド、ロシア、イギリス、大阪と続いたMIYAZAWA-SICK'05の最終日。
ブラジル音楽、沖縄音楽、ヒップホップなどが渾然一体となったステージを、宮沢の艶やかなヴォーカルと、マルコス・スザーノ高野寛らの柔軟で切れ味のいい演奏陣が、より刺激的なものにしている。
過去ヒュー・パジャムアート・リンゼイカルリーニョス・ブラウンを迎え制作されたアルバムの世界感が、毎年、着実に続けられる海外公演での出会いを経て成長し続けているのを実感。