寄稿

cinelli662005-01-18

映画「岸辺のふたり
岸辺のふたり」について語るのは実に難しく、単なる感想だと、かえって作品の「味わい」が伝わらないのではという恐れがワシにブレーキをかけているのであります。なんと言いますか、「色」について語るのが難しいように、語ろうとすると遠ざかってしまうような…そんな作品なのです。 あえて自分の感じたままの感覚で書くと…少女の父は、なぜか行ってしまった…あのボートの波紋のように。そして流れゆく月日は、いつも父の去った岸辺とともにあった。木漏れ日のむこうで手を振る友達、彼と一緒に乗った自転車、やがて母となり、家族と訪れた時…いつのまにか年老い、かつての自分のような少女と擦れ違う路。そしてあの岸辺すら、時の流れとともに、その姿を変えていくのでした…やがて…みたいな。